我が逃亡と映画の記録

日頃の感情を書き連ねて

最近読んだ小説の話

張り裂けそうなこの想い!

私のもとに届いたその小説は、私にとって、ある意味で特別なものだった。世話になった監督が、同郷だから、そして私がその小説家の本を読んでいたから、その二点だけでつなぎ合わせてくださった。それは、単に仕事に繋がるかもしれないという浅ましい感覚よりも、好きな作家と連絡を取り合えるという、本来ならあり得ない状況が特別なのだ。

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「手紙」の話

東京から帰ってきて・・・

このブログ、東京で出会った多くの方が見てると言っていて、なかなか恥ずかしい。私的なことを書きづらいのだが、抑圧された自我を放出する場がなければ、死んでしまうタチなので、気にせず殴り書く。

 

あまりに多くの人が見てるというもんだから、アクセス数をチェックしてみたが、更新もしてない日でも常時人が来ていると知る。みなさん、かなり暇なんですね、と思いながらも、このコロナ禍において、少しでも暇つぶしになっているのなら喜ばしいことだ。

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『海底悲歌』公開しました

『海底悲歌』無事公開。

色々とあった、拙作『海底悲歌』が先日、23日から無事公開した。と言っても、公開当日に緊急事態宣言。劇場が休館になってしまい、解除されるまで上映はお預けだ。

 

なんだか、この映画は幸運なのか不運なのか、手のかかる子供を持ってしまったような、そんな感覚だ。

 

けれども公開に際して、お世話になった金田監督や高原監督、三原監督なども来てくださり、それから俳優部の皆様や、同年代の監督など、多くの方々がお祝いに駆けつけてくださり、あの上映中止の時分とは比べものにならないほど、仲間がいるんだと実感している。

 

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お写真は撮れなかったけれども、『ずぶぬれて犬ころ』の本田孝義監督や国沢実監督も見に来てくださり、本当に嬉しかった。どなたも非常に面白い作品を撮られている方で、改めて彼らと同じステージに立てたことを、我ながら誇りに思う。と同時に、これからなのだ、と切に感じる。

 

オークラ劇場さんも、解除したら必ず上映再開しますからと仰ってくださり、焦りや不安は、ありません。もう一人じゃないんだ、と、そう思います。公開初日に劇場にご挨拶へ伺ったが、想像以上に『海底悲歌』が劇場に溢れていて、なんだか込み上げるものがあった。担当のプロデューサーの方が、

「人生で一回きりの、デビュー作の劇場初公開日ですよ」

と仰った。

 

改めて、この日を迎えられて良かったと思った。天気も良好、初回から多くの方がお越しになって、まず一安心という感じだった。私含め、俳優部の方々のサインもあるので、各者のファンの方は、お越しの際は是非お写真撮ってください。

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来たる劇場初公開、ついに次作を劇場で見たとき・・・!!

話は、公開初日の初回の上映に移る。俳優部の皆様と、関係者席での観覧。上映が始まるブーという音が鳴る。横にいた長森君や生田さんがそわそわしていた。

かく言う私は、どうも感動しているらしく、鼻の奥がツンとした。

そして、映画が始まる。「大阪芸術大学」の文字が光り、本編が始まった。みんなが集中している中、私は一向に集中できなかった。改めて、これまでの経緯と、そして映画を作っていた去年のことが思い出され、そして、今まさに自分の映画が映画館のスクリーンに映っていて、この中には、私に注目して見に来た人もいる。

 

憧れ続けた映画監督に、今この瞬間なったのだ。

 

そう思った瞬間、涙がどこからともなく込み上げてきた。タイトルバックを見届け、早々に退席した。みんなには、「自分の映画を見るのは恥ずかしい」と建前を語ったものの、その実、単に個人的な思いで感動してしまっただけだ。

 

劇場のロビーにある喫煙所に向かった。落ち着ける場所は、やはりいつだって喫煙所なのだ。でもどこを見ても、『海底悲歌』のポスターやチラシが置かれていて、そしてその横には必ず併映作品もあって、ちょうどピンク映画ベストテンの集計時期だったから、昨年のポスターがずらっと並んでいた。

 

この監督たちと、この映画たち、そこに自分たちの映画が並列で並んでいる。そんな状況が、本当に嬉しくて、ちょっと目を閉じた。すると、『海底悲歌』担当Pが、話しかけてくださった。

 

「あれ、見ないんですか?」

「いや、なんか恥ずかしくて」

「そうですよね。でも、遂に公開を迎えられましたね」

 

こうして、彼と割と長めにお話した。私は何度もありがとうございますといって、彼もいえいえと仰って、何度も何度も、「これからです」「次ですね」なんて未来の話をする。彼と話しながら、劇場を隅々見渡して、常連のお客さんや劇場スタッフを見ても、やっぱり初めて自分の映画がかかるのが、オークラで良かったと思った。

 

そういう話をしたら、やっぱり「今時そんな人いないですよ」なんて言われてしまうけれども、本当に思う。どう考えても、現状、生涯最良の日だ。これを越える1日を早く作らなければ。今回のは、自主映画から劇場公開という形なので、本当の意味での商業映画デビュー作はこれからだ。もしも願いが叶うのならば、商業デビューもピンク映画を作りたい。作らせて欲しい。

 

そう強く思った。

 

 

お世話になった金田監督・高原監督

公開二日目の昨日のこと。劇場に金田監督と高原監督がいらっしゃった。

終わった後、少しだけ飲ませてもらえた。

 

高原監督は、生田みくさんをキャスティングする際に、お世話になった経緯があったのだけれども、コロナ禍ということもあって、なかなか挨拶の機会がなく、今回が初対面だった。

「デビューの年、俺と同じだよ」と仰ってくださったとき、「なんとか肩を並べられるよう」なんて言うと、川瀬さんと金田監督が、「また思ってもないことを」みたいな顔してきたので、緊張も程々に色々お話しさせていただいた。

 

奈良で映画を撮ること、次の企画の話、それから今回の反省、金田さんが私のTwitterをフォローしてくれなくて寂しい話。人と飲むと、やっぱり楽しいですね。

最後の話は俺もフォローされてない!と高原さんが言ったことで、少し盛り上がった。最近じゃ珍しく、店の中でタバコが吸えたので、より快適に酔いが回り、ほんの少しの時間でも少々酔っ払った。

川瀬さん金田さん高原さんの三人で、ずっと昔話をしているのを聞いていると、私もそういう仲間が欲しいな、とすごく思った。同年代の監督や俳優の知り合いは多くないので、繋がりは大切にしていかなくては、と思った。まあ、でも彼らには歴史があって、私にはまだその歴史は浅いので、これからそう言う仲間が増えていけばいいな、なんて思った。

 

そういえば、同い年の映画監督、武田佳倫さんが公開初日にオークラ劇場にお越しくださって、ありがたかった。彼女とはカナザワ映画祭で知り合って以来。あまりお話する時間をとれなかったけれども、また互いに機会があったら話してみたい。

そういえば、彼女を見送った後、劇場にきてくれた別の知り合いが、「彼女ですよね」なんて言っていたけれども、彼女は彼氏が100人いるらしいので、そんな手練れは私じゃ役不足だ笑。

 

武田さん、本当にありがとうございました。

 

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何はともあれ、公開を無事に迎え、ほっと一息。緊急事態宣言で劇場は、現在休館中ですが、いち早くコロナが収まって、また安心して劇場で『海底悲歌』をみていただけることを心待ちにしています。

『海底悲歌』公開まで残り1週間!

差し迫る劇場公開!

ここに来て、なかなソワソワする毎日だが、そう多くない機会だと思う。存分に楽しみたい。残り1週間になったことで、上野オークラさんのHPでは次回予告として、私たちの『海底悲歌』もきちんと載っていた。改めて、変な感覚だけれども、嬉しい。

 

以下、抜粋です。

 

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ピンク映画らしからぬビジュアルのポスターなのは、これは卒業制作展に向けて作ったものだからだ。往年のピンク映画ファンにとっては、もしかすると目障りに映るかも知れない。けれども、関西の田舎町で、大学生だってピンク映画を愛していて、そんなものを撮ってる。同志とまで呼んでもらえると嬉しいけれども、そこまで行かなくとも、何となく暖かい目で見てほしい。中学生の頃から貪るようにエッチな映画ばかり見てきた私にとっては、もはや聖地、いや最後の砦とも言える大蔵映画の旗艦劇場でかかるというのは、本当に嬉しいことだ。

 

新型コロナウイルスが、またしても雲行きを怪しくしてしまっている状況ではあるが、劇場関係者は感染防止に努めてくださっているし、安心してとまでは言わないが、是非気をつけながらご覧いただけると、大変ありがたい。よろしくお願いします。

 

映画『海底悲歌』に興味のあるメディアの方々へ

前述のように、というかずっと書いているが、私は、すなわち『海底悲歌』監督の堂ノ本敬太は、ピンク映画にハマってしまったばかりに、このような作品を作ったのだ。

 

「監督はピンク映画として紹介されたくないかも知れませんが・・・」

 

こういう気遣いをよくされる。はっきり言って、無用だ。

 

『海底悲歌』が本当にピンク映画たりうるのか、すなわち、これはピンクか否か論争は置いといて、少なくとも大蔵映画さんが、上野オークラでかけていいと判断したのだから、私は胸を張って『海底悲歌』は大阪芸術大学の卒業制作として撮られたピンク映画である、と考えている。

 

是非とも、方々様々なところで取り扱っていただけると、関わった全員嬉しい。もし仮に、『海底悲歌』が新たなピンク映画ファンを見つけ出せるのならば、なお嬉しい。

 

また配給はどちらですか?だとか、連絡はどこに、という疑問があるようなので、こちらで答える。『海底悲歌』は現状、配給は堂ノ本敬太だろう。本来なら映画祭とかで賞を取ったら、配給しませんか?みたいな誘いが来るのだろうか?海底悲歌は、映画祭には出せない(だいたいが劇場未公開が条件なので)ので、少し特殊だ。配給のシステムをまだよくわかっていないが、大蔵映画ではないので誤解なく。今後どうしていこうか、というかどうしたらいいのか、全くわからなくて困っているが、あの手この手で作品を多くの人に見てもらえるようにしたい。

ゆえに、メディア掲載等のご相談は、私に直接送っていただいて構わない。TwitterでもInstagramでもどこでも構わない。早めに返答いたします。以下にメールの方も載せます。

 

canary.since2020@gmail.com ←こちらまでお願いします。

 

その他、何でも苦情でも感想でも、何でも送っていただいて結構です。あわよくば次回作の企画や脚本を送ってもらえると、熟考します。

 

 

 

閑話休題

 

 

劇場公開決定までの話

前回の記事での予告通り、どういう経緯で劇場公開までに至ったのか、それを書こうとは思う。思うのだけれども、誰の許可も得ずに書くので、大学の方々は少々嫌がるかも知れない。彼らは、無論誰かに褒められたくてやったわけではないし、もっと言えば、『海底悲歌』が上映中止になった、その一点で動いてくださった。不純な行動動機のない、もはやヒッチコックの演者のごとき行動だったと思う。

ということで、私の主観から見たものを、かなりざっくりと。

 

詳しいことは、後々どこかで書かれる、、、ような??

依頼を待つ。

 

 

そもそも、『海底悲歌』は最初から劇場公開を目指して作っていた。

脚本が形を見せ始めたくらいから、前作よりずっとお世話になってきた担当の金田敬監督と談合をするたびに、「いいものができれば、大蔵とかに持っていって」という四方山話をしていた。今思えば、金田さんの描いた絵図の通りに事が動いているわけだから恐ろしい。

オールスタッフが初めて顔を合わせた時も、私は高らかに宣言した。

「この映画は劇場で公開される作品だから。卒業制作ではあるけれども、いい映画になるように一緒に頑張ってほしい」

今だから言えるけれども、この段階では、ただの夢物語のようなもので、劇場公開など決まっていない。けれども、スタッフの多くは、特に違和感なく聞いてくれていた。むしろ、この嘘のおかげもあって、全員の熱量が高まっていたように思う。

 

そこから、前回の記事のように撮影が行われ、完成に至った。

卒業制作展では、多くの方が来場し、例えば生田みくさんのファンの方や、川瀬陽太さんのファンの方が、遠路はるばる大阪まで見にきてくれた。この時は、映画の完成を喜び、そして思いの外好評であることに満足していた。

けれども、この段階では、当初話していた「いいものができたら大蔵とかに・・・」という、例の四方山話は一切されなかった。「いいものができたら」という修飾語があったので、「あぁー、いいものではないって金田さんは思ったんだ」と半ば諦めていた。というか、むしろ私自身が劇場公開に現実味を見出せなかった。「いいもの」って難しいと思う。どの映画監督も、自分の作品を「いいもの」なんて言えないと思う。及第点くらいには思うことはあっても、次の日には出来の悪い息子みたいに感じる。と思えば、意外といい映画なのかも知れないと思得る日もある。

そもそも生きる上で必ずしも必要のない映画において、自分が作ったものを、これは「いいものだ」と思えることは少ないと思う。自信とかそういう話ではなくて。もし「これはいい映画だ」と心の底から思えるんなら、もう二度と映画を撮らないと思うのだが。

 

とにかく、映画が完成した頃、劇場公開という話は一切出てこなくなっていて、肝心の金田監督は一切褒めてはくれなかった。褒められるために映画やってねえよ、とは思うんだけれども、「誰々さんが褒めてたぞ」とか「賞もらったみたいやぞ」と言われる毎に、あなたはどうなんですか!と、少し歯痒い気持ちだった。いっそう、佐々木原保志氏のように、「サイテイエレジー」と冗談でも言ってくれればよかったのに笑。

 

 

そして、件の上映中止騒動が勃発する。

 

 

canary-elegy.hatenadiary.jp

 

この記事でも書いたように、私はなかなかセンチメンタルジャーニーだったのだが、上映中止に関する私の気持ちを、伝えると、金田さんはメッセージで、あっけらかんな返答をしてきた。「ピンクやってると、今後もこういうことぎょーさんありまっせ」と。そして少しして、「時間がある時、大蔵に持って行ってみます」と。

 

藁にもすがる思いとはこのことだった。

 

同時期に、例えば、学科長である大森一樹監督や、私に日頃から色んな話をして下さった成田裕介監督、それから映像学科の重鎮副手なども他の劇場に声をかけてくれていた、と聞き及んでいる。けれども、その誰もが、私のおセンチなニヒルぽい心情とは異なり、何だかコミカルで、「面倒くせーな!」とか言いながら、でも、めちゃくちゃニヤけてるみたいな感じだった。

Twitter上でも檄を飛ばして、「上映が決まるまで、堂ノ本に関わり続けます」と話していた出演者の川瀬陽太さんも、そんな感じだった。あの時、受話器越しに

「ホント、面倒ごとばっかだな!お前は!」

とか言いながら、でもどう考えても笑ってる口調だった。

 

 

全員、めちゃくちゃ軽い。こう書くと誤解されるのかも知れないけれども、うん、明るかった。口ではずっと面倒だ面倒だとか言うのに、新しいおもちゃもらった時みたいな顔してた。あー、映画人ってこういう時楽しくなっちゃうんだって面白かった。こっちの感情お構いなしに、なんか面白そうだから動いてみるか、みたいな。で、金田さんが大蔵と話つけたって報告したら、もう別のおもちゃ探し出し始めてる感覚。かっこいいなぁと思う。

 

思えば、私もあのブログを書いているとき、むしゃくしゃしながら、でも、何だかラッキーパンチだと思ったりしていた。ただ上映されるやつより、目立つじゃん。映画見てくれるじゃんって。炎上商法、そのものって感じなのだが、意外と上映が決まる前の方が、私の感情は盛り上がってたかも知れない。

 

めちゃくちゃざっくり書くと、こんな感じである。

 

 

結局、金田さんが持って行ってくれた頃には、このブログもそこそこ広まっていて、割とトントンと話が進んだ。思いのほか、公開時期が早かったり、長かったり、そういう嬉しい誤算はあったけれども。

 

 

 

改めて、ずっと映画やってる人ってのはある意味タフで、ずっと少年のままなんだなぁと感じた。うん、かなりざっくり書いたから、伝わるのかわからないけれども。でも、正式に劇場公開決定のお知らせを出した後の、金田さんからのメールは泣けたなぁ。

 

絶対に誰にも見せないけれども、結構お話しさせてもらって、初めてくらいに嬉しい言葉をもらった気がする。まさしく「おめでとう」の最上級だった。この言葉は私だけに向けられたものだと思ったら、心底嬉しい、そういう言葉だった。

高校時代に劇場でも見ていた監督と、絶対そうではないけれども、割と対対に関わることができて、私は今、本当に幸せだ。

 

 

 

とか言って、次の企画で苦しんでいるのだが・・・。

 

 

『海底悲歌』、4/23~公開!初回11:40〜!

ぜひお越しくださいませ!!

 


www.youtube.com

 

『海底悲歌』上映決定から数日経って

数日ぶりです。

上映決定のご報告から、7日経った。この7日間、とてつもなく早く時間が過ぎていった。決定の報告、多くの方の目に触れることができ、また、上映中止の際に温かい言葉をかけてくださった方々を中心に、「おめでとう」という言葉が私の元に届いたこと、大変ありがたく思っている。

 

「おめでとう」

 

なんとも響きのいい言葉だ。たった5音で笑顔になる魔法の言葉。何を言ってるのか、よくわからないが、とかく嬉しかった。いつだか、私が大好きな、というより、私の中のピンク映画ベストとも言える映画を作ってくれた監督がこう呟いていた。

 

 

きっと私より多くの示唆と感慨を込めた文章だ。だが、私も今、そう感じる。きっとその気持ちは、4/23の公開のときも、そして、この先もずっと感じていくんだろう、とも思う。主語が「私たち」であるのが、美しいと思う。こんな風に、言葉を扱う人間を私は美しいと思う。

 

大蔵映画の『海底悲歌』を担当してくださっているプロデューサーの方が、こんなことを言っていた。

「発表したらすぐですよ。気がついたら公開です」

そんな言葉に私は、「楽しみます」と返した。

楽しいのかはわからない。思いもよらないところから連絡が来たり、音信不通になってた奴が連絡を寄越したり。面白いのだけれども、なんだかフワついている。自分よりも喜んでいる人を見てしまって、若干引いたりする時もある。一応、母に報告すると、「見にいく」と言われた。頼むからやめてほしいのだが、エッチな映画を撮っても、何も言わない親でよかった。

 

そうそう、「金持ちと付き合いたい」と昔からずっと言っていた女友達が、「久しぶりに会おうよ」と連絡してきた。世間的には、映画は稼げる職業だと思われているのだろうか。「俺、金ねえよ?」って返すと、「じゃあ遠慮する」と返ってきた。残念、ノーチャンス。

 

やや宣伝も兼ねて

”私たち”の映画『海底悲歌』は、4/23より上野オークラ劇場でかかる。

初週のスケジュールが出ていたので、こちらでもご報告する。

 

劇場では続々と、『海底悲歌』のポスターが並び、フライヤーにも宣伝文句が載っているらしい。

「若き才能、溢れる熱情、そして色気!温泉地、夜の漁港、廃校。印象的な場面と人々に去来する想いとの繋がり。冷めてからでは遅いのです。今、体感すべき作品です!」

 

どなたが書いてくださったのか、ありがとうございます。「冷めてからでは遅い」これはリアルだ。今、見てほしい。特に何か立ち止まっていると自分で感じてしまう女性に。本当は、高校生とかに見てほしい。無理だけど笑。だから高校生みたいな全ての大人に見てもらいたい。その中の誰かには、きっと今必要な映画だと思えるから。何かがあると思う。きっと。

 

 

併映作品は、山内監督の新作と、小川監督の作品。どちらもずっと前から、映画で一方的に知っている。

 

山内監督の『欲望に狂った愛獣たち』が大好きだ。あの監督と同じスクリーンでかかるなんて、誇り以外の何物でもない。私の中では、あの作品は成瀬巳喜男のフィルムと同等だ。かっこいい。主演のみずなれいさんには随分お世話になった。最高にかっこいい女だ。

 

小川監督は、言わずもがな大ベテラン監督だ。殆ど大蔵の大親分みたいなイメージ。フィルモグラフィは400を越えるらしい。私はその10分の1程度しか見られていないのが悔しい。ピンクの歴史、ひいては日本映画史、その手の本を読むと必ず名前に出てくる。

どういう手順で作品の選定がなされるのか、私はあまり理解していないが、もし仮に確信犯なら、粋だなぁと思う。

 

ドの付く新人と大の付くベテランが、劇場では並列されるのだから、恐ろしいものだ。

 

 

フライヤーの文句と似たようなことを、大阪芸術大学映像学科の学科長、大森一樹監督も書いていたので、ご紹介する。

「『海底悲歌』は間違いなくR18のピンク映画だが、その官能シーンの数々よりも、夜の水面、校舎などがとても美しく撮られていて、そちらの方がよほど官能的だった。ラストのトンネルの外の逆光の雨は、とりわけエロティックで秀逸だ。」

 

最初の「間違いなくピンク映画だ」という文言は、私が前作からずっと「ピンクになってるんだろうか」とアホの一つ覚えのように吐露していた事へのリップサービスだろう。リップサービスとは言え、嬉しいですね、こういうの。

 

でもそれよりも、ここにきて何の変哲もないインサートや引き画が、よく話題に上がる。それは肯定か、否定の裏返しか、そりゃ私にはわからんので、額面通り受け取る。

 

映画は俳優だ!とか、映画は脚本だ!みたいな文言は、本屋の映画コーナーに行けば五万と見るけれど、何はともあれ、映画はショットだと思う私としては、画に言及してもらえるのは何より嬉しい。それが物語上、不要とも思えるショットであればあるほど嬉しくなるのは、変なのだろうか。

 

『海底悲歌』裏バナシ〜秘密の立役者①〜

現場では、こういうショットの方が時間がかかった。例えば、校舎の廊下のショット。カメリハの時に、ああでもこうでもないと、わずか5秒のショットに3時間くらい悩んだ。現場になると、レールを引いて、ズバーと走らせようという最初の案から一転、単純なフィックス処理に変更した。

「拘ってたんじゃないんですか!」

と助監督の一人が、ものすごい剣幕で、やや落胆気味に声をかけてきたことを思い出す。そうして、その問答を聞いた特機部が、「ここは俺もこだわりたい」と割り込んできた。誰も引かない。足し算続きの画面。明らかに卒業制作の空気じゃなかった。みんな必死に食らい付いて、映画を作っていた。良いと言ってもらえた画面の多くは、そういう瞬間のあったショットだ。

 

そんな中、ひたすら引き算を続けた撮影の佐藤くんの功績は大きい。各シーンを撮り始める前に、私とキャメラマンは二人でカット割の確認をする。無論、コンテも書かずに、私たちだけの言語で会話は進むのだから、他スタッフは戸惑っていたように思う。「〇〇でいい」

こんな言葉ばかりで、どんどん簡略化されていくカット割。よく、”でいい”という言葉は、マイナスに取られる。人は皆”〇〇がいい”の方が、肯定的に捉えるのだ。しかし、私たちはそれに反して”でいい”を何百回と唱えた。これでいいのだ、これでいいのだ、と。

スタッフの中には、「こうしたい!こうして欲しい!と言ってくれたら、そうする」と言ってくれる熱い者も多くいたのだが、その多くは「これでいいのだ」に敗れていった。足して足して、豪華にしていくのではなく、引いて引いて、寂しくしていく。

 

 

「(これはいらない、あれもいらない。)これでいい。(これだけの方がいい)」

 

私は彼の撮る画面のおかげで、劇場公開までたどり着けたと心底思う。私の名前ばかりがSNSなどでも出てくるが、「佐藤知哉」というキャメラマンの名前を覚えておくべきだ。きっとこれほど引き算で画面を考える人間はいない。豪奢で煌びやかな映画には向くのかわからない。が、小さくとも芯のある、そういう映画では、彼こそ輝くはずだ。

 

全く余談だが、あまりに引き算をし過ぎた、とあるシーンの撮影終わりのこと。二人並んで、「あの画は必要だった。この映画の根本が揺らいでしまう」と落胆したことを思い出す。

それでも「やるしかねえので」と切り上げた彼の後ろ姿は、なんと美しいことか。

 

しかし、皆様聞いてほしい。こんなに褒めてやってるのに、彼はここ1ヶ月、人生最後の春休みを、人生最初の春うららと満喫している。『ぼくのなつやすみ』みたいな顔してるくせに!!淡いピンク模様に染まってしまった彼の心の臓を抉り取ってやりたい。恋人と映画、どちらが大切なんだ!目を覚ませ!映画だと言っておくれ!!

 

 

閑話休題

 

 

私のブログというのは、書き始めた時とは違い、想像以上に多くの目に触れているようだ。

 

 

ナタリーさんまで引用してくださって。にしても、このツイートは馬鹿っぽくてダメだな。反省。

 

けれども、いや、だからこそ、『海底悲歌』のなんらかの話をするのであれば、まずは第一に、「佐藤知哉」のことを書かねばならぬ、書きたいと思った。

 

ぜひ、興味を持った皆様、活きのいい撮影部をお探しの皆様、4/23〜上野オークラ劇場で上映される『海底悲歌』を、是非ともご鑑賞いただきたい。

きっとあなたが良いと思った画は、家に帰っても覚えている画は、その殆どが彼の画だ!と自信を持って言える。その代わり、あそこの画がダメだという話も、全部彼の責任にしようと思う!!

 

 

次回予告

次回は、今回の『海底悲歌』公開に至るまでのお話を少しばかり書こうかと。

 

そして最後に、何度も鬱陶しいだろうが予告を載せる。

予告を見よ!そして、予告じゃわからんのだから!劇場に来い!

来てください。お願いします。


www.youtube.com

 

映画『海底悲歌』劇場公開決定のお知らせ

お知らせ

お世話になってます。監督の堂ノ本敬太です。

いつもは、ドウモトとして発信してますが、今回は、この名前でお話させてください。

 

『海底悲歌』卒業制作展での上映拒否が起き、何としても劇場で上映したいと、このブログで発信してから早1ヶ月。あの時は、どうしたものかと傷心でした。

 

 

けれども、その胸中を赤裸々に書いたら、想像以上に反響をいただけました。映画に関わる人、大阪芸大OBの方、ただ映画が好きな方、本当に色々な方々に温かい応援をいただき、また、上映が決まったら見に行きますという嬉しいお言葉も多くいただきました。その言葉は全て、本当に、私に力をくれました。

 

出演者の皆様や、スタッフの皆様、映画を愛する全ての皆様へ、私ができる最大の感謝を込めて。

 

 

ようやく、発表できます。

 

 

拙作『海底悲歌』の上映が無事決まりました!

4/23(金)から!なんと4週間!!

 

ピンク映画の老舗、上野オークラ劇場にて!公開決定です!!

 

 

うおぉぉらあぁぁ!!

 

ぜひ皆様、劇場に足をお運びください!!

 

 

youtu.be



 

劇場公開に際して、予告編を作り直しましたので、ぜひご鑑賞ください。

続報がありましたら、こちらのチャンネルで挙げていきます。もしかしたら、出演者の誰かとライブ配信がある・・・かも!!ぜひチャンネル登録お願いします。

 

上映決定に際して

本当に多くの方に支えられました。この場を借りて、本当にありがとうございました。

 

ただ、感謝だけ書いても仕方ありません。上映されるからには、お客さんに来てもらわなければなりません。てことで、ここでは宣伝も兼ねて、その辺の熱い熱いお話と海底悲歌制作秘話みたいなものも書いていこうと思います。ぜひ、チェックしてください!

 

具体的な上映時間のご案内や、その他お伝えすべき情報もこちらで発信しますので、聞き漏らさぬよう、チェックお願いします!!

 

 

それでは、今回は短めですが、この辺りで。

 

 

改めまして皆様、本当にありがとうございます。上映の際は、是非奮って劇場へお越し下さい!!

 

 

電車で起こったトラウマの話

初めに。

これを読んでいる方で、同じような体験をした方がいたら連絡が欲しい。それほどセンセーショナルな体験ではないような気もするけれども、私にとってはなかなか大きな出来事で、未だに立ち直れていない事が何個かある。今後の自分の創作にも、もはや人生にも影響があるような気がするので、一度自分のために振り返って書いてみようと思う。

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